2018年の10月、満を持してオープンした「MUGI」は、宮古島のシェアオフィス&コワーキングの草分け的存在。繁華街から徒歩圏内の県道に面した立地で、施設裏には広い駐車場もあり、アクセス抜群なのが嬉しい。徒歩すぐの場所には大きなスーパーマーケットも。
ガラス張りの外観は中が良く見え、初めての人でも入りやすい雰囲気だ。
運営するのは不動産業や民泊業を営む沖縄の企業「有限会社日建開発」で、MUGIが入居する建物は同社会長の所有ビルなのだそう。「以前は島にシェアオフィス&コワーキングのような施設がなかったので、様々な業種の人々が交流できる場をつくろう!ということで、空いていたこのスペースを使ってオープンしたそうです」と話してくれたのは、MUGIの開所後に入社し、今は管理を任されているという下地さん。
ちなみに階上では宿泊施設、隣では沖縄の有名アイス店「ブルーシール」のフランチャイズ店も展開しているのだそう。仕事に疲れたらアイスで糖分補給もいいだろう。
施設内は「コワーキング」と「シェアオフィス」の二つのスペースに分かれている。
「コワーキング」は基本的にドロップイン用のスペース。1時間360円、1日なら1,500円という手軽な料金が自慢。物件賃料が高騰している宮古島でこのお値段はありがたい。この料金に、セルフサービスで飲み放題のお茶やコーヒー代も含まれている。
席数は12と決して広くはないが、カフェ風コンセプトの優しげな空気感がくつろげる。がむしゃらに机に向かうより、ゆったりと仕事をしたい人におすすめの空間だ。「キャリーケースを引いていらっしゃって、空港へ向かう前の空き時間にちょっとだけ仕事をしたいというお客様が多いですね」と下地さん。
ちなみに、階上の民泊施設に宿泊すると、無料でコワーキング利用ができるのだそう。
コワーキングスペースから仕切り窓の向こうを覗けば、そちらは「シェアオフィス」。
月額会員(3プラン/12,000円〜)のみが使える広々とした部屋で、複合機やシュレッダー、プロジェクター等のオフィス機器、ホワイトボードやロッカー(別料金)といった基本設備が揃っている。もちろん給湯室もあるので、なまじ自社オフィスを借りるより、効率も使い勝手もいいだろう。大きな窓の外には通りが見渡せ、開放感があるのも好評だそう。
会員はコワーキングのスペースも利用することができ、来客者は1時間3名まで無料なので、打ち合わせ等の場所に困ることもない。月額2,500円と安価で法人登記もできるので、宮古島で新規事業の立ち上げを考えている人は注目だ。
「現在はレンタカーやマリン業の方が事務作業に使われていることが多いですが、スタートアップの最初の段階で、オフィスを持たれる前に使っていただくのもいいと思います」と下地さん。
コワーキングの営業は平日のみだが、シェアオフィス会員の「フルタイムメンバー」か「ナイト&ホリデーメンバー」になれば、専用の入り口から土日でも自由に出入りしての利用も可能となっている。
コロナ禍以降、利用者数が減少してしまったそうだが「今後はもっと地元の方々にも利用してもらえるように、いろんな施策をしていきたいと思っています!」と笑顔の下地さん。コワーキングスペースは貸切利用もできるそうで、ワークショップやセミナー等の開催も可能だ。
「宮古島のさまざな業種や人々の交流の場に」と始まったMUGI。その名が示すように、たくさんの実を結ぶ施設として発展してほしい。
取材&文 楢林見奈子